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内縁関係と相続税|相続権がない場合の税務対策を初心者向けに解説

内縁関係と相続税|相続権がない場合の税務対策を初心者向けに解説

近年、法律婚ではなく事実婚(内縁関係)を選択するカップルが増えています。しかし相続税の観点では、法律婚と内縁関係は大きく異なります。特に「相続権」の有無が、相続税全体に大きな影響を与えます。この記事では、内縁関係では実際にどのような相続税の問題が生じるのか、そしてどんな対策が可能なのかを、初めて調べる方向けにわかりやすく説明します。

内縁関係と法律婚では何が違うのか?

内縁関係(事実婚)には、法律上の相続権がありません。この点が相続税を大きく左右します。

法律上、配偶者として認められるのは「法律婚」のみです。たとえ十年以上一緒に生活していても、戸籍上の婚姻届を出していない内縁関係では、相続人とはなりません。相続人になれるのは「配偶者」「子ども」「親」「兄弟姉妹」のみで、内縁パートナーはこのリストに入らないのです。

法律婚なら「配偶者の税額軽減」(配偶者は1億6,000万円または法定相続分のどちらか多い金額まで非課税)や「小規模宅地等の特例」など、相続税を大きく減らせる制度が使えます。しかし内縁関係ではこれらの制度は一切適用されません。

内縁関係でも相続税はかかるのか?

内縁配偶者自身には相続権がないため、通常は相続税はかかりません。ただし、別の形式で財産を受け取る場合は課税される可能性があります。

内縁配偶者は相続人ではないので、相続税申告の対象外です。しかし、被相続人(亡くなった人)が内縁配偶者に財産を遺したい場合は、遺言書で「遺贈」として財産を指定する必要があります。

遺贈で受け取った財産には「相続税」ではなく「贈与税」がかかることが多いです。また、遺言がない場合は、内縁配偶者は一切の財産を受け取ることができません(法律上の権利がないため)。

内縁関係での相続税対策:生前にできることは?

相続税を回避したいなら「生前贈与」と「遺言書」の組み合わせが最も有効です。

内縁関係の場合、法律婚のような相続税軽減制度が使えないため、以下の対策を検討しましょう。

1. 年間110万円の暦年贈与を活用する
生前に毎年110万円までの贈与は非課税です。これを10年続けれぱ1,100万円を相続税ゼロで移せます。ただし贈与の記録(銀行振込、贈与契約書など)をしっかり残しておくことが重要です。

2. 遺言書で「遺贈」を指定する
遺言がなければ内縁配偶者は何も受け取れません。公正証書遺言を作成し、内縁配偶者に財産を遺贈することを明記してください。

3. 相続時精算課税制度の検討
2,500万円まで非課税で贈与でき、その後の相続時に精算する制度です。内縁関係で大きな金額を移したい場合は有効な選択肢です(ただし制度の選択は不可逆的なため、専門家に相談してください)。

4. 生命保険の活用
生命保険の死亡保険金は「非相続財産」です。内縁配偶者を受取人に指定すれば、相続税を避けて財産を遺せます。ただし保険金額には上限があります。

配偶者の税額軽減は内縁配偶者には使えない

相続税を最大に軽減する「配偶者の税額軽減」制度も、内縁配偶者には適用されません。この点が相続税負担を大きく増やします。

法律婚の配偶者なら、1億6,000万円または法定相続分(例:子どもがいれば配偶者は1/2)のどちらか多い金額まで、相続税がゼロになります。この制度だけで相続税がゼロになるケースも多いのですが、内縁関係では使えません。

内縁配偶者が相続人ではないため、基礎控除(3,000万円+600万円×相続人数)の計算にも含まれません。被相続人が多額の遺産を遺した場合、他の相続人(子どもや親など)の相続税が高くなり、手取り額が減る可能性があります。

相続税申告の期限と注意点

内縁配偶者が遺言で財産を受け取った場合、相続開始から10ヶ月以内に必要な申告手続きを済ませる必要があります。

内縁配偶者自身は相続人ではありませんが、遺言で遺贈を受けた場合は、他の相続人と協力して相続税申告(および納税)を済ませます。期限は相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。

また、遺言がない場合は「遺産分割協議」を進める必要がありますが、内縁配偶者は協議に参加できません(法定相続人ではないため)。このため、被相続人の子どもや親が協議を進め、内縁配偶者への配分を決めることになります。トラブルを避けるため、生前に遺言書を作成しておくことが強く推奨されます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 内縁配偶者に相続権はまったくないのですか?
A. はい、法律上の相続権はありません。ただし遺言で遺贈を指定されれば、遺言の内容に従って財産を受け取ることができます。相続権と遺贈は異なります。

Q2. 内縁配偶者が遺言で受け取った財産には、相続税ですか、それとも贈与税ですか?
A. 遺言による遺贈は「相続税」が適用されます(贈与税ではありません)。ただし内縁配偶者は「相続人」ではないため、配偶者の税額軽減などの軽減制度は使えず、税負担が大きくなりやすいです。

Q3. 法律婚に変更すれば、遺言で遺贈した財産の相続税が減りますか?
A. はい、大幅に減る可能性が高いです。配偶者の税額軽減により、1億6,000万円または法定相続分まで非課税になります。遺言で遺贈する前に法律婚を検討する価値があります。

Q4. 内縁配偶者に遺言で全財産を遺した場合、他の相続人(子どもなど)はどうなりますか?
A. 法定相続人(子どもなど)には「遺留分」という最低限の相続権があります。内縁配偶者への遺贈が遺留分を侵害する場合、子どもなどが遺留分減殺請求できる可能性があります。遺言作成時に専門家に相談することが重要です。

まとめ

  • 内縁関係には法律上の相続権がないため、配偶者の相続税軽減制度が使えません
  • 相続税を軽減するには、生前贈与(年110万円)と遺言書の組み合わせが有効です
  • 遺言がないと、内縁配偶者は相続財産を一切受け取れません
  • 相続開始から10ヶ月以内に申告・納税する必要があります

内縁関係でパートナーに財産を遺したいなら、後々のトラブルを避けるためにも、税理士や弁護士に相談して遺言書を作成することを強くお勧めします。

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